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ars combinatoriaな日々

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ターナー展 Turner from the Tate: the Making of a Master@東京都美術館

ターナー展東京都美術館素晴らしかったです! 休養日と決めて基本出掛けない日曜に行った甲斐がありました。休日出勤が続いてもう今日(12/8)しか空いてなくて,でもちょっといろいろ煮詰まってたのが充足しました!
 今年は(も)いい展覧会をたくさん見たのですけど,最近のでは「モローとルオー」に並んで評判よく,確かにこれは行かないとですよ!
 12/18まで(月曜休)。【巡回】2014/1/11〜4/6 神戸市立博物館

 

 ちょうど企画展の建物に青空が映り込んでました。ちなみに↑美術館に入る前の空。でもターナーよりフェルメールぽい色?と思ったら,そうかターナーはイギリスで、フェルメールが大陸だからかと何となく自己解決。


 順番が前後しますが,ポストカードを買ったお気に入りの作品(の一部)。左上から『月光,ミルバンクより眺めた習作』『バターミア湖,クロマックウォーターの一部,カンバーランド,にわか雨』『戦争,流刑地とカサ貝』『平和−水葬』。
 他に図録の表紙でもある『湖に沈む夕陽』『レグルス』を各2枚づつ買いました(1枚では出し惜しみして使えないから)。印刷では色彩のニュアンスが伝わらないんですけど,RGBになってバックライトが当たると意外に再現性が?やはり光の画家なのだなあ,フェルメールとはまた違った。お,繋がりました。

 さてターナー展,ターナーは素晴らしい!そして展覧会そのものがとてもイイ! 17時半までなので毎度の閉館まで粘ろうと16時頃行ったら入場制限はないけど中はやっぱり混んでまして,久しぶりにまずざっと通して合間合間に見れるのを点々と。いつから並んで順番に見る人が増えたのだらう?
 各章のキャプションに(ターナーの)年代があるのがわかりやすい。長命(76歳)な画家ならではですね。またターナーちょっといい話なミニエピソードが壁に貼ってあって,こぼれたミルクで絵をって雪舟か!とか,才能ある息子を誇るお父さんの話は理髪店主という階級社会ならではかも。でも更に図録を読むと妹が5歳で亡くなりそれが母の精神に影響を与えたって影を落とすエピソードもあるのですね。

 そんなわけで1点1点見るのはまたあとで,最初に目に付いたのは『バターミア湖,クロマックウォーターの一部,カンバーランド,にわか雨』。虹がくっきり七色でないところがいいなあ。と,自然を美化ではなくあるがままに描くのかな?とも思ったのですが,「III.戦時下の牧歌的風景」「V.英国における新たな平和」の前書きを読むと特に戦争/時代を反映し,しかしあくまで戦勝のムードに迎合しないなど意外にメッセージ性があったのか,見たものを見たまま綺麗にではないターナーの思想・思考が反映されていたのですね。

 またこの展覧会は116点の展示の中で習作が多くて,ただどれひとつとして見過ごせない全然物足りなくない見応えあり過ぎなのも特徴です。習作はとてもラフで,細部を描いておくのではなく大まかなアウトラインであり,ここからどんな本画が表出するのか想像出来るようです。ただ帆船や建造物,つまり人工的なものは細かったですね。スケッチブックの展示もありターナーの創作段階が想像出来てこれまた必見です。

 更に「IV.色彩と雰囲気をめぐる実験」の“カラービギニング(色彩の始まり)”と呼ばれる水彩。白いシルエットの城なんかはわかりやすいけど,もっともっと色彩だけで表したものがたくさん。むしろ色を置いてみましたってくらい?
 これらは遺贈コレクションから発見されたそうで,その経緯も含めてモローの“油絵下絵”を彷彿とさせてます。あっ印象派ギライなのにターナー大好きなのがわかったー(ファンの方には申し訳ないんですが…粕谷さんの海外サカヲタネタ)。印象派の先駆けではなく抽象画,象徴主義ぽいのです。ただモローと違って抽象的には見えない,もうちょっと具像的に描きたいものが浮き上がってくる。一枚の絵として鑑賞出来るけど習作ぽくもある。このコーナーは1820〜30年頃推定で,晩年の1840年代にももう一度展示されてました。そちらはもっとスケッチぽいですが,でも「こういう作品です!」とも見れる。そうそうカンディンスキーの『印象III (コンサート)』(1911)を思い出しました。

 一巡目は本当に点々としか見れてなかったので飛び飛びですが,次に注目したのは「VII.ヴェネツィア」の『サン・ベネデット教会,フジーナ港の方角を望む』。すごく明るい絵で,でも特にターナー独特の黄色がとても効いてる。白く輝くもいいけど,もっとぱあっと明るい。そして人物描かない方がいいんじゃないかと思ったらちょっと下がって見れる椅子があって,あっこれは離れて見た方が全然いい。戻ってちゃんと見れた代表作『レグルス』もでした。後期に行くほど人物がもわもわしてるんですが,ほとんど遠景なので離れて見ることに。
 最後の部屋はとても混雑していて,あきらめて地階に戻ったら入場締切時間過ぎていたのでようやく1点づつ見れました。この展覧会は年代順の構成なのですが,通して見てからだとターナーは初期からモチーフの選び方を始め視点が独特なのがよくわかりました。

 閉館時間になっても晩年の,特に『戦争,流刑地とカサ貝』『平和−水葬』のセットはいつまでも人だかりが絶えませんでしたので,離れて並んだ2作を同時鑑賞するのはできなかったのですが,これはどちらもいいですね〜。どちらかひとつなら『平和』ですが。『戦争』のナポレオンは流刑地すなわち「おのれナポレオン」!奥にいるのは監視の士官? イギリス人ですからナポレオンを勝ち誇った姿で描かないのは当たり前ですがターナーはイギリスの絵もちょっと斜めからの視線でした。
 『平和』の水葬というモチーフ,当時ならこういう絵は普通なのでしょうか? 蒸気船の黒が不自然と言われターナーは「もっと黒くできる絵具があればなおよかった」と応えたそうですが,やっぱりこれは自然ではなく印象ではなく象徴主義なんじゃあと思ったのでした。

 
 そんな2作を最後に見てでたら,なんとターナー天気予報がちょうど『平和−水葬』だったのですよ!よかった明日曇りで!
 そうそう企画展内ミュージアムショップでは結局図録とポストカードしか買わなくて,実はクリアファイル,ストラップに手を伸ばしたけど,縦長横長を逆にトリミングしてるのに気が付いて散財しないで済んだのでした。だってそれはダメ。

 【右】入るとき気が付かなかったんですが,いまって都美はこんなことしてたんですね! 次回予告で来年4月はバルテュスか!

 
 ランチは例によってレカン。お魚と白ワイン,しあわせ〜。美味しいものって大切!

コメント

金曜日に駆け込みで行ってまいりましたが、想像以上の混雑でした。

印象的だったのは『ルーアンの帆船』でしたね。特徴である黄色と晩年の作風の融合、そして慣れ親しんだ主題である風景画の融合と言う意味で、これかなと思います。
『平和−水葬』の黒については、満を持してここでと言う感じでしたので納得です。

印象派と言えば、近隣で印象派の「本丸」モネ展が丁度開催されていましたね。

  • 2013/12/14(土) 07:16:36 |
  • URL |
  • 甘木 #o25/X8aE
  • [ 編集 ]

もう終了ですから混雑ですよね~。『ルーアンの帆船』 なるほど,ターナーは長命でいろいろ変わっていく部分もないわけではないのですが,芯が通った画家ですね。モネは…見ないように通り過ぎています。

  • 2013/12/14(土) 19:44:56 |
  • URL |
  • まつい #-
  • [ 編集 ]

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