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ars combinatoriaな日々

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モローとルオー@パナソニック 汐留ミュージアム

モローとルオー-聖なるものの継承と変容-@パナソニック 汐留ミュージアムは11/9(土)に参りました。12/10(火)まで,必見です!休館日は水曜ですのでご注意ください。
 これは“ギュスターヴ・モロー展”ではなく“モローとルオー”という展覧会です。ルオーギャラリーとパリのモロー美術館ふたつがあっての企画でした。

 まずロビーで「モロー とルオー その魂の絆」の映像(14分)を。そーいえば日曜美術館の放送をまだ見てませんでした。
 出展されているサムソン模写,これはルオーの作品(本画『石臼を回すサムソン』はロスから)を師であるモローが模写,それにルオーが喜ぶ書き込みをしていることが語られていました。なんだか貴重な一品に見てしまいましたが,展示を見るとそういった模写たくさんあるのです。

 入ってびっくりなのは,油彩は基本ガラスがないことでした。これはいずれもモロー美術館所蔵作品のようで,うれしい配慮ですね。モローの説いた「マチエール(マティエール)と内的ヴィジョンへの感覚を尊ぶこと,そして色彩についての想像力」の中でもマチエールはガラスがあるのとないのとでは全く伝わり方が違いますし,ガラスなしを見ておけばガラスの入った作品も想像の延長ができます。

 この美術館は比較的狭いのですが,「ギュスターヴ・モローのアトリエ」「裸体表現」「往復書簡」「マティエールと色彩」「幻想と夢」とセクションに分けてそれぞれのコンセプトで二人の作品と絆を示しています。しかし一通り見たあとだとそれぞれがとても有機的に繋がっていているのが感じられました。
 また「マティエールと色彩」では金具のガードや壁紙でモロー美術館を想起させるしつらい,同美術館の4K映像コーナーもありました。ああモロー美術館に行きたい!(現在休館中,休館でも『出現』は持ってこないのね〜)

 出展はモロー美術館,この汐留ミュージアムだけではなく,オルセー他海外また日本国内からも多数あり,ルオーの初期作品は初めて見ました。モローはどちらかというと油彩下絵や未完成が目を引き,抽象画のように感じます。
 モローの個別の作品では『ゴルゴダの丘のマグダラのマリア』で,既にイエスのいない十字架と母マリアではなくマグダラのマリアが描かれていること,またイエスのものだけでなく三本の十字架が立っていることに,ただ単にキリストへの信仰だけではなく,もっとわたしたちに近づけた罪とその購いを感じます。

 聖母マリアの方では2つの『ピエタ』を何度も行き来してしまいました。まず晩年の未完成の抽象画のようなピエタがあり,順路に沿った先に初期のリアルなピエタがあります。どちらも画一的ないわゆるピエタのポーズではないところに神格化され惰性ではない,しかし間違いなく神聖なものが伝わるような気がしました。
 そして未完成の作品により惹かれるのですが,絶筆的無念感がなくイエスの顔さえ判然としていないのに明確な意思を感じます。(向かって)右側の暗さに比し左側の空がとても明るいことが希望に繋がるのでしょうか。

 自分の好み的には『ヘラクレスとレルネのヒュドラ』のうつくしい肉体ときよきよしい顔のヘラクレス,小さな『聖セバスティアヌスと天使』なのですが,いつもの最後に目に焼き付ける作品を選んだら,とても抽象的な何が描かれているのかも判然としない油絵下絵(No.45)でした。

 って,モローのことばかりになってしまいました。ルオーの作品も相対して展示されているのですが,特にモロー『パルクと死の天使』,ルオー『我らがジャンヌ』の並びには二人の共通性と気質の違いが出ているように感じました。モローの方が内へと向い,ジャンヌが上を向いているからかもしれませんがルオーの方が明るいい。
 モローもルオーも個別に好きだったのですが,ようやく繋がったような気がします。なおルオーの分厚いマチエールは分厚いのですが,輪郭好きとしてはそもそもフチがありその黒い太いフチはステンドグラス職人のという前身もあったのですね。

 図録はまだ途中までしか読めてませんが,モロー→ルオーの一方的な上下関係ではない互いに影響しあい高め合う,しかしあくまで対等ではなくモローはルオーの才能を導きルオーは師を尊敬し慕っていたことが作品及び往復書簡(訳は図録に収録)で伝わりました。ちゃんと読んだあとで追記するかも〜。

【巡回】12/20〜2014/3/23松本市美術館。モロー美術館でも開催予定。

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