■DIC川村記念美術館その2(美術館篇#1コレクション)

フランシス真悟『Bound For Eternity (sapce)』 150.0*1240.0cmと長大で,離れて全体を見ると垂れた絵具の様などちょっと不気味に見えないこともないんだけど,近づいてディテールを見るときらきらなんだ〜。大きいとか独特のマチエールを伴ってるとか,特に抽象的な作品は実物を見ないとわからないなあ。
野沢二郎の水面のシリーズ,これすごい好き!“抽象を描いていたら水面になった”抽象って,心のうちを表出してる部分があると思うので,それが自然〜水になっていったって気がする。ここではモネの『睡蓮』(1907)を上げて,こちらは具象が抽象になっていく様。でもでもわたしがモネが全然好きじゃないってせいかわかんないけど,野沢さんのはターナーの方を連想するなあ。
あとは吉川民仁『声音(春)』とか,こちらは鮮やかな色なのに今度は大気を感じます。具体的に何かを描いているわけではないんだけど,大きなカンヴァスに塗られた色,質感から何か形を感じるのではなくて,うーん,これこそ正に“何処までも顕れないもの”を感じること? こういうのも実物を目の前にしないとわからなかったろうなあ。
企画展示室を出ると外の自然が見える明るいスペースが拡がってます。ソファでほーっと、現実に帰っていく。
作品のための建物であり,鑑賞者のための空間でした。20世紀初頭〜の作品がとっても充実してるのですけど,小さな作品(コーネルとか)を見せたり,ロスコのあえて凝縮した空間を演出したりといった,必ずしも広いスペースばかりではないのが興味深いです。特に天井の低さ。ずーっと前に東京都現代美術館がとても大きい展示室なので,現代作品といっても小さな作品の展示に向かないってのを聞いて,へーっと覚えてるので(ブリヂストンの土曜講座だったと思う)。


ミュージアムショップ。さすがインクの会社ですから、コレクション(セレクト)も企画展も立派な図録がうれしい。企画のは凝った装幀でした。四季のポストカードも記念に。
図録を眺めると展示してる作品の数をかなりしぼってるんです。特別な部屋を作ってるレンブラント/ロスコ/ニューマンは常設だけど,大きなステラだって他に作品があるの。
【右】オリジナルグッズのピンバッジ!このステンドグラス、カワイイと思ったの~。手の中に持って帰れるってしあわせ(はーと)。他にイラストのカワイイ便箋などもありました。

そんなわけで館内2巡したらいろいろいっぱいで,もう外を歩く気力がないので最終の一本前のバス(16:45)で帰ることに。おお,3時間も中にいました。
またルノワール号に乗るのか〜とバス停で待ってたら,今度はカンディンスキー号だった。わーい! 今回の展示にはなかったけど。
しかし期待以上に美術館も敷地内の散策も一日楽しめました!ぜひっまた行きます。次回の「FLOWERSCAPES フラワースケープ」(4/28〜7/22) も面白そう! だって,お花ってもまずオキーフだもの。杉浦非水,高島野十郎見た〜い♡お外で違う花も咲いてるし! 睡蓮の咲く頃(7月)がいいかなあ。花菖蒲(6月)もいいんですけど,これは光琳で根津美術館のを見るしー。