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ars combinatoriaな日々

ちひろが描いた世界の童話展-アンデルセンを中心に-

映画『赤い靴』のデジタルリマスター版,都内は渋谷のユーロスペースで8/5(金)まで。ちひろ美術館に行ったきっかけなので先に上げようと思ったらなかなか書き終らないので(また長いのかっ),こちらから~。映画はぜひっ。

 

上井草駅前ではしゃぎぎつつ,まずは目的のちひろ美術館に向かいます。本当は右の小さなひまわり群は駅のそば,途中空を撮りました。
 ちひろ美術館はいわさきちひろ絵本美術館の名前のとき,出来てわりとすぐに(もちろん母に連れられて)行ったのですが,もーその頃は駅前を過ぎるとほぼ畑ばかりで,美術館なんてあるんだろうか?というくらいでした。今も場所は同じなので駅からちょっと歩きますが,周りの住宅地はほとんど後から出来たんだろーなー。
 学生時代は西武新宿線に住んでたので,わー美術館の沿線だーと喜んでたのになんと一度も行きませんでした。西武新宿線と言っても下落合なんで高田馬場の隣ですけど。もーオケオケオケの合間にアルバイトで最後に講義くらいだったんでー。バイトがてらコンサートや舞台が観れなかったら何にもなかったですねっ。
 そんなわけで,ちひろ美術館・東京は実質二度目。安曇野も二度。安曇野は車じゃないとなかなか大変ですが,ぜひ碌山美術館にも行って欲しい! 一度目は教会バスツアーで2つの美術館でしたが,二度目に行ったときは車でいろいろ廻ってもらったので(その節はすみませんっ),ロイヤルコペンハーゲンの大熊美術館にも行きましたー。ロイコペはもちろんデンマークなので,人魚姫のプレートもあるの。プリントを何枚か買いました。安曇野に行ったときのはお花の写真を少し出しただけなんですよねー。

 

 ええと,そろそろ本題に。ちひろが描いた世界の童話展-アンデルセンを中心に-ということで,まず最初の展示室でいきなり『赤い靴』の,でもこれは絵本の挿絵じゃないみたい。カレンダー用に自由に描いたものだそうです。
 原画はお話の絵全部ではないのですが,それぞれの絵本が置いてあって,とても座り心地の良いソファがあるので,すっかり全部の絵本を読んでしまいました。絵本のを見て原画をじっくり見る。しあわせ~。
 ここの美術館は安曇野もですがだいぶ展示スペースが増えてもわりと展示作品は多くなくて,ゆっくり空間と時間を楽しむところなのです。あとで気がついたのですが,そういえば展示室に係員がいないのでただ順番に絵を見るだけでなくすっかり座り込んで本を読むことができるのかなあ。図書室も普通の資料室よりもここで一日中読んでいたい!って思える。
 そもそも透明水彩は退色しやすいのでそんなにたくさんを長い期間展示出来ないのです。そのかわり二色刷りとか古い絵本などは引き出しに入れ自由に見てくださいとなるべく日に当てないように工夫して,少しでもたくさんの作品を紹介してます。

 『赤い靴』はちょっといろいろ思うところあるので,映画の話とからめてにします。絵本『あかいくつ』(文:神沢利子,偕成社)は買いました。
 アンデルセンはどの作品も何度も何度も描いてるそうですが,『人魚姫』の現行版は『にんぎょひめ』(文:曽野綾子,偕成社)です。人魚姫は意外に大人びた表情で,でも14~15歳ってもう子どもじゃないものね。子どもと大人の狭間の少女の表情,海の上に憧れているときからちょっと寂しげです。
 曽野綾子さんの翻案はやっぱり一番知られている,人魚姫が海の上に憧れ,王子に恋をして…なんですけど,実はアンデルセンの原作はもっとキリスト教色が強いのです。岩波文庫の完訳版でどーぞ。ちょっとびっくりですよ。
 ただその宗教色が強いままではこんなに普及しなかったと思うし,ましてやハッピーエンドなんて!きいっ。いや哀しいお話は哀しいお話としてあるべきで,そういうどうにもならないことがあるって知ることは大切だと思うのっ。でも本当の人魚姫は実はある意味ハッピーエンドなのですけど,ちょっと違うなーと思っちゃう。わたしの一番キリスト教を受け入れられな部分だからかもしれない。そういう意味では『赤い靴』はキリスト教を離しては成立しないし,神様もちょっとヤハウェ的です。

 アンデルセン関連の17分のビデオライブラリーを見たのですが,本人の出演ではなくて,買って帰った文庫ギャラリーちひろのアンデルセン(講談社文庫) にほとんど出てました(この本とても良いですよ♪)。ビデオの中でも,故郷オーデンセのアンデルセン博物館を訪ね展示されていた各国の絵本を見て,「あんまり感動しませんでした。私の本の方が美しいような気がします。うぬぼれかしら」というのが印象的で,でもこれ家族宛の絵はがきだったのです。いわばここだけの本音。
 でもでも2001年のアンデルセン展のときに買った別冊太陽 を今更ながら読み直してるんですが,これにたくさんの挿絵があって,確かに世界中の絵本の中で一番うつくしいかも~。もちろんリスベート・ツヴェルガーなど他にも好きな作家さんはいますけど。
 そして彼女自身語ってますが,アンデルセン始めあらゆる作品を描くのではなくて,自分の絵にあっているものを何度も何度も描いているのです。『赤い靴』などは挿絵だけでなく先程のカレンダーや初期の油絵もありますし。

 展示はアンデルセンの他にグリムやハイジ,小公女など。それから日本の『ひさの星』(斎藤隆介,岩崎書店)。更に復元アトリエと写真。他に手作りの洋服が展示してありました。単に当時の流行なのかもしれませんが,柄がポップでとても明るい色調。クラシカルなバッグも合わせて。

 

 年間スケジュールを見るとだいたいテーマを決めたちひろの絵の展示と企画展の二本立のようです。今回はこどもの椅子展。写真撮ってるヒトがいたので,いいのかな?と思いつつ。
 子どもが座りやすいようにというのが一番なのでしょうが,ただただカワイイ。ディスプレイ用にほしー。

 

 カフェも17時まで(フードは16時半オーダーストップ)。スイートコーンのシフォンケーキとアイスカフェオレ。ふつーにオレンジのシフォンもあったけど,こちらは売切でした。甘過ぎないケーキは新鮮。テラスもありますが,湿気がありそーなので今回はパス。カフェを利用しなくても小さなお庭には出られるそうです。
 カフェも含めてゆったりした時間を過ごしてくださいというコンセプト。ただ増築したといってもやはり狭いので,展示室以外はほぼ空間が繋がっていて子どもが大声出してると全部響いてちょっと厳しい。今度は一日がかりのつもりで行こうっと!

 今回の企画展は7/31で終了,8/3からは「ちひろのあかちゃん」+瀬川康男遺作展です。また新潟県立近代美術館でも7/13~8/28に館外展やってます。長岡市なので大雨の影響が心配です。そーいえばしごとで行ったリリックホールのそばにありました。

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