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ars combinatoriaな日々

10/14までですよ!

速水御舟−日本美術院の精鋭たち−@山種美術館レオナール・フジタ@Bunkamuraの他に,竹内栖鳳@東京近代美術館 (京都巡回有)が10/14(月・祝)まで! おススメです〜。なかなかまとめられない!
◆栖鳳前期:9/15のついろぐ
◆栖鳳後期:10/19のついろぐ(感想は工芸館のことくらい…)
 余計なことが多すぎますが…。

♪10/14といえば,音楽劇『ヴォイツェク』(自動再生注意)が東京楽でちゃんとチケット取ってあります!ので美姫ちゃんの試合は残念ながら日曜だけ(そもそも月曜のチケット取れなかった…),『唐版 滝の白糸』は12日のあとは26日に観に行きます〜。
 面白かった新国立劇場『ヴォツェック』は来年再演します。こちらもぜひっ。

速水御舟−日本美術院の精鋭たち−@山種美術館

■2009年の新美術館開館記念「速水御舟-日本画への挑戦-展」

♪9/23秋分の日,秋らしいお天気の連休最終日に山種美術館の「再興院展100年記念 速水御舟−日本美術院の精鋭たち−」へ。10/14(月・祝)まで。

 なんか…ヘトヘトに消耗しました。日曜仕事のあとフジタの膨大な作品を見たってのもありますが,御舟は2009年にたっぷり見たし御舟だけじゃないしと軽く考えてしまって,むしろどっぷり同じ作家に浸るより比べる,相対化って感じるより考えてしまうのかも。

 いつも選定が気になる最初の作品は御舟『牡丹花(墨牡丹)』。技術の凄さがキャプションに書かれてたけど,黒い花弁は一通り見た後じわじわ来ました。前回ももちろん見てるのですけど,ぶらぶら美術・博物館で詳しく見たあとだったからかも。山下裕二先生の「冷たさ,心の中に闇がある。怖い,ゾクゾク感がたまらない。単に綺麗な絵じゃない,暗さ,背筋の寒くなる迫力」にもうんうんと頷きました。

 『牡丹花』のあとはしばらく御舟以外が続きます。春草『雨後』の朦朧体は手前にあるのに影のようなクッキリした黒い鳥群があってこそだなあ。観山『朧月』も朧な月はやはり笹が引き立てる。
 実は大観はあまりピンと来ないんですが『燕山の巻』のやはり建物はクッキリしてるのが面白い。北京懐かしーい。『叭呵鳥』はカワイイ。

 しかしこうして他の作家の中で改めて見ると御舟は違う! 本当に不思議だ。精微で緻密で,もちろん観察力や写実力というか再現力に間違いはない。でも描かれたものには現実を突き放した達観を感じる。シュルレアリスムではなくて,うーん?
 『灰燼』を西洋絵画の誰かに似てるとずーっと考えたんですが…キュビズムぽくないですか? 山下先生の云う冷たさ,つい先日見た栖鳳の暖かさと比べちゃうのかな。どちらも大好き!

 小茂田青樹『春雨』を真ん中に御舟『桃花』『柿』の配列がとても考えさせられた。小茂田の「理想化することが強い。君は絵を作りすぎる」という言葉が御舟に「真を掴もうとする意識,楔となった」という。


 そして次に目を向けると大きな『翠苔緑芝』ですよ!これ前はよくわかんなかったんだけど,御舟の抽象性ともいえる特徴がとても出た作品なんじゃないかなあ。ひとつひとつの技法が金地の上に並んだコンポジション。
 なのでいつも見た後にカフェでいただく和菓子は,このモチーフの「緑陰」にしました。すんごく頭使って見てしまったので甘味がうれしい。

 画家が何を考えているかを知るべきなのか切り離して考えるべきなのか難しいところですが,御舟の言葉はとても深い,「私はもっと本当の美を知らなければならないと思う」。“新しい日本画への挑戦”は単に技法ではないが別の技法により描きたいものが現出できるのではと。

 『炎舞』は今回は山種コレクションルームに展示。縦長ゆえに長く舞い上がる炎と闇。炎に染まった闇は漆黒ではない。
焚き火をおこし蛾を集め観察写生し,その上で昇華したもの。そのときの御舟の中の炎と闇の発露。だからこそ二度とは描けないのではないか…。未完の作も絶筆や遺作ではなく,まだまだ挑戦の途上でしかなかったのでしょう。無念〜。

 今回の特製和菓子は『炎舞』モチーフの新作「ほの穂」とにしようかと思ってたのですが,次回また出してくれるかなあ。懐紙にちゃんと蛾が描かれていたのですね。

 展覧会用の図録はないそうで,持ってなかった「ザ・ベスト・オブ山種コレクション」を買ったのですが,2009年の御舟のハードカバー図録が見当たらないので聞いてみたらはもう在庫ないんですって。再販すればいいのに〜。っても採算厳しいそうな豪華な作りでしたが。

 他の御舟以外も面白かった。特に前田青邨『腑分け』はちょっとレンブラント? 同じく青邨『大物捕』(平家かと思ったら義経だった),『三浦大介』(三浦義明の老体),前にも見たけど安田靫彦『平泉の義経』秀衡は坊主…と『平清盛』を彷彿とさせる…いや源氏ばっかでした失礼。あ,御舟『白芙蓉』があった!違…。

レオナール・フジタ〜ポーラ美術館コレクションを中心に@Bunkamura

♪9/22(日),おしごと帰りにレオナール・フジタ― ポーラ美術館コレクションを中心に Bunkamuraザ・ミュージアムへ。朝の日曜美術館(アートシーン)で紹介したから混んでるかなあと恐れつつ,閉館の1時間ちょっと前に入りましたが,10/14までの会期のまだ9月か連休の中日だからかゆっくり見れました。でもこの時間に入ってたのはすごく熱心フジタのファンという雰囲気で,9/16の台風の日の栖鳳のときに似てるかも。

 おなじみ乳白色の女性2点には猫。にゃんこの絵そのものがいいのがもちろんだけど,猫好きの画家の絵だ!と猫派魂が共鳴するのかしら? 犬もいたけど風刺的ですね。
 そしてよく見ると裸婦の描線の周囲も白いんだ。正に輝くよう。後の『小秋』の押したくなる腰のエクボもいいな。

 子どもの絵には実は時代の変遷があって,1929年のはちょっとコワイ。こちらを射抜くような,やぶにらみの眼。明らかに犬ではなく猫!1940年の『ピアノと少女』は如何にも油彩画で明らかに異質,でもとてもいい絵。

 50-60年代の少女達は技法は29年と同じぽいけど目線がずれてる。可愛くてカードやグッズも多数でした。キャンディじゃなくて缶が欲しくて買っちゃった!ミニクリアファイルは乳白色意識。

 目玉のひとつのミニチュア(上野の森で見たのは教会だったっけ)は,アトリエのクロゼットに掛けた小さな小さなジャケットが手仕事の好きでおしゃれなフジタぽいなあ。手仕事といえば土門拳の写真に額縁を作ってるのがあって,後の『姉妹』の額にも繋がるのです。
 土門拳,阿部徹雄の写真は人柄も伝わるし,乳白色のヒミツがわかったのですね!シッカロールって懐かしい〜。

 ポーラ美術館コレクションの特に『小さな職人たち』は数はもちろん1点1点個性的な視点。『パリの横顔』の文章がいくつか添えてあり,制服など当時のパリのリアルな空気を感じる。
 単純に可愛いじゃない。クスリとするには視点がいぢわる過ぎる,子どもに大人の格好させれば可愛いでしょ?では決してないなあ。そのそも可愛くないし…あっ。診察所はブラック,まして神童とか億万長者,浮浪者etc, etc…ですよ!

 図録は小さめの正方形でカワイイ!大好きなもっと知りたいシリーズも出てたのですね。

10/14(月・祝)まで,会期中無休。10:00〜19:00,金・土曜〜21:00まで(入館は30分前まで)

■2009レオナール・フジタ展@上野の森美術館
 藤田嗣治展@東京国立近代美術館は2006年なのでちょうどブログに入ってなかったです。いつかどこかに載せたいです…。