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ars combinatoriaな日々

ロミオ&ジュリエット2013(その1)

 

■2011初演
■2012来日公演

♪トランスフォーム中みたいなヒカリエのシアターオーブで,再演ロミオ&ジュリエット。My初日は9/14(土)ソワレ。ロミオ:柿澤勇人 ,ジュリエット:フランク莉奈,ベンヴォーリオ:尾上松也,ティボルト:城田優,マーキューシオ:水田航生,パリス:加藤潤一,死:中島周。

 なんといっても柿澤ロミオ! 可愛いし歌える。ロミジュリでいつも不幸の元凶にしか思えない神父様(安崎求)とのハモりに感動したし,お姫さまだっこ可愛いしーと。この日バルコニーでスマホ落としちゃったのはすごく焦ってたろうけど,ドジっこあわあわアドリブもロミオらしかった。
 多少なりともジュリエットが少女から女性へと成長していてもロミオは少年のままでよかったと思います!さっさと連れて逃げろなんてこのロミオには突っ込めないよ。

 そんなロミオだから「僕は怖い」で中島さんの死が本当に恐ろしい。あのぬめぬめ感。かと思うと結婚式のシーン(エメ)では明らかにキリストのポーズだしマントヴァから生肌。ちょっと解釈難しいなあ。仏版では手紙を破いちゃうんでストレートな表現だけど,日本版の他の死を見てまた中島さんを見たい(←9/26行きます。特典写真は城田ティボルトだけど)。

 初演は1回しか見れてなくて(城田ロミオ),衣装は赤青じゃないうえアニマル柄でごちゃごちゃしてどっちがどっちかわからないよ!とイライラしてたんですけど,舞台広いせいか3階からで見通しがいいからかスッキリ見えて,でも今度はあの猥雑感もよかったんだよなと難しいなあ。
 でもでも今回は左右の袖にセットを広げてそちらで演技することも多いのでちょっと散漫に見えたかも。真ん中が空いた空虚ともいえるけど,そういう寂寥感はちょっと違う気が。

 城田ティボルトはわたしはアリだと思うんですけど,美しいのは言うまでもなく貫禄ありすぎて,ロミオとジュリエットの若い恋よりキャピュレット一族のどろどろをいろいろ妄想しちゃいますよ。
 ティボルトはさーこの舞台では既に跡とりとして期待されてるけど,ついでにジュリエットのフィアンセででもキャピュレット夫人(涼風真世)との関係が実は本気だったりするんだぜ(←ウソです。だってそしたらピンクパリス様の出番がっ)。でも更に禅パパ(キャピュレット卿:石川禅,ソロ素敵でしたわ)もいるんですよね〜濃いよ濃過ぎるよキャピュレット家。

 そうそう柿澤くんは大河『平清盛』の以仁王しか知らなかったので,待望の生舞台でした!ロミオがあまりにかわゆらしかったので,一週間前におみやげにいただいた唐菓子(からくだもの)を食しながら「以仁王の令旨」の回を見たら,ちょうど清盛が「欲こそが男の力の源」って言葉を思い出してましたよ。
 延々読み上げる令旨はアクアタルカスに乗って画面は平家の奢り。このためにミュージカル俳優さんを選んだのね〜と放送時も思ったけど,改めて力が入りすぎてちょっと上ずった若い声がらしいですね。同じ頃放送の歌うヨシヒコの回も残しとけばよかったあ。


 2回目は9/21(土)ソワレ。ロミオ:古川雄大,ジュリエット:フランク莉奈,ベンヴォーリオ:平方元基,ティボルト:加藤和樹,マーキューシオ:水田航生,パリス:岡田亮輔,死:宮尾俊太郎。
 1日に違うキャストで見れちゃうマチソワも考えたんですが,最初に買ったソワレのみで。平日消耗してるので体力に自信がなかった…。どうしても前回(再演初回9/14)と比べちゃうんで予めすみません。

 柿澤ロミオがただただ可愛いかったんで,古川ロミオの個性がなかなか見えて来なかったんですけど,最期のシーンまで来て,ああこのロミオは一歩一歩成長してくロミオなんだ~と腑に落ちました。
 加藤ティボルトは正にこの舞台のティボにぴったり。満たされない,飢え,餓えた野獣のようなのに,切なさ寂しさを感じて,とてもしっくり来ました。
 今回の一番のごひいきは平方ベンヴォーリオ。常に白いパンツで膝上長っ。本当にスタイルがいい。歌もいいけどセリフの声がいい,改めて声が好き! ソロは1・2幕とも声が上ずったところがあってもったいなかったけど,繊細なベンヴォーリオでした。

 先週に比べ若者達がフラットに可愛いんで,「綺麗は汚い」での乳母(未来優希)の存在感,安定感が際立つ際立つ。ソロも絶品。歌えるって当たり前のようで難しいのねん。
 と1幕で感じたんだけど,終幕すると今日は本当にベテランの皆さんあっての若者達の物語だなあとと思いました。ロミジュリそのものが好きなんで、ジュリエットの「この胸がお前の鞘」とかパリスも墓で決闘して欲しいんですが,この舞台は二人の死のあとの大人達の自戒の歌がいい。そんな中残ったベンヴォーリオは可哀想なんですけどね。

 そして,初めて違う“死のダンサー”でした。宮尾さんの良かった方にはごめんなさい。うーん普通に上手いバレエダンサーだなあというふうに見えてしまって…。こういう振付です,こういうポーズをしますという消化いえ昇華されてないカンジ? だから特に最初の見せ場の「僕は怖い」なんかは次はこのパ,このパみたいで。バレエらしくモンタギュー&キャピュレットの若者達の動きとは全く違うから,異物感を出したいのねーというのはわかるんだけど。
 単に好みなのだろうし初演も中島さんで見てたから刷り込みかもしれないけど,中島さんの死はダンスとしてより“死”という概念を身体の動き,その気配だけで具現化してるのです。そして圧倒的な存在感はヴェローナの街に深い影を落とす。

 城田ティボルトも改めて思い出して面白い。こんなに美しくてキャピュレット家の跡取りとして認められ期待されてと,産まれたときから全て与えられ満ち足りているはずなのに,常に飢餓感が離れない。でもその欠けた部分を満たすはずなのがジュリエットに見えないのが残念だなー。キャピュレットの若者達の中にいるとギラギラしているけど更にキラキラな場違いな高級感が目立って,良く悪くも華があり過ぎる。舞台あらしかーっ。やっぱりこの世のものではないトート最高! トートも本来は“闇の帝王”なんて人形(ひとがた)ではなく“Tod−死”なんですけど。いや城田トートは“闇の王子”でしたよ。

 ともあれ,キャストが違うと相対化されるのが面白いなあ。14日はいい意味ですごくデコボコ,21日のはとてもバランスが良い。演ってる方も見る方も慣れて来たのもあるかもだけど。まずは2公演分の感想でした!

川本喜八郎人形ギャラリー

 ロミジュリの前にやっと川本喜八郎人形ギャラリー@ヒカリエの展示替見た。どうして撮影可のショーケースが常盤ちゃんなのー。

 「平家物語」は保元と平治でした(「三国志」ももちろんあります)。人形劇は全然見てなかったから前回はオリジナル初期設定でちょっと馴染めなかったけど、今回は大河をいろいろ連想しちゃいました。確かに悪左府様が同じポーズ!←そこかよ。
 為朝2体に愛を感じるなあ。堂々たる馬上もだけど,ザンバラ髪もカッコいいの!
平治だから義平と対の重盛は、哀しげな白い顔(かんばせ)で白馬に乗ってる!王子王子(はあと) 今日は慌ただしく見たんで無料だしまた来ようっと。

大野麥風展〜「大日本魚類画集」と博物画にみる魚たち@東京ステーションギャラリー

♪ポスターを見てずっと気になってた大野麥風展@東京ステーションギャラリー,とっても可愛く美しかったです。9/23(月・祝)まで。

 ごく一部ではありますが原画と刷り見本と版画の並列なんてすごい展示ですよー。細かい赤(校正)入りの刷り見本で職人さんとの真摯なやり取りまで見れるなんて! 退色の差があるかもしれないけど版画が一番綺麗。
 版木は一作あたり推定50枚とか。版画こそ完成形という意味で練美の鹿島コレクションポショワールを思い出します。

 原画が絹なのもあるのかな? 版画はくっきりとしてよりラヴリイに。ポスターで最初現代のイラストレーターかと思ったくらいなのです。年代がわからないから後年と言い切れないけど紙に描いてる作品もあって,紙の方が作風に合ってるような。

 青背の魚が特にいいなあ。トビウオちゃん達がお気に入りで何枚もカードを買っちゃった。
 翼あるもの!ですね。エンジェルフィッシュ(天使魚)もあったけど,飛魚の方が可愛かったなあ。

 こういう博物画と違って群れていたり,花まで描かれた,つまり水の中じゃなくて川面からという視点などを含め不思議な味わいのあるお魚たちでした。でも水族館でだけじゃなく沖まで出たという本気。

 他にこれぞ博物画という先人の作も。そして円谷プロに在籍していたこともある杉浦千里さんの,リアルなんだけどまたひとつの作風を確立しているのに魅入ってしまいました。

 

 大野麥風展は9/23まで。おススメです! 東京ステーションギャラリーは建物も素敵だしー。(この階段などは撮影可)

 

 えーとこれは9/4(水)に夏休みを取って出掛けました。風が強くて雲がすごい勢いで流れてました。

アンドレアス・グルスキー展@国立新美術館(+アメリカン・ポップ・アート展)

 

アンドレアス・グルスキー展国立新美術館すんごかったです!9/16(月・祝)まで。まずは前知識なしでどうぞ!

 というのも壁面の作品そばにキャプションがないのです。作品一覧が一応解説付なのですが,せっかくなのでまず作品だけ見て出口から一覧を見ながら折り返して,でも解説はさほど詳しくなかったので戻った入り口でガイドを借りてもう一度廻りました。音声ガイドはまーなくてもいいですがグルスキー選曲BGMもありました。ちなみに今をときめく浅野支店長石丸幹二さん,ってもう出てないけど。

 8/31(土)に行ったので混み具合はどこまで参考になるかわかりませんが,13時半頃入って現代ものとしてはわりと混んでいてびっくり。終了間際だと更に混みそう。
 【巡回】2014/2/1〜5/11 国立国際美術館(大阪)

 展示はグルスキー自身の意向で年代順ではなく,また館内の順路もはっきりしていないところもあって行ったり来たりしてしまうのもキュレーションの効果なのかも。だから『東京証券取引所』が世界各地の取引所を撮影する先駆けであったのもあとからわかったりしたのでした。確かにコンピュータとか古かった。

 作品も大きいものばかりではなくて,その大小の配置も広い空間だからこそ感じる余白あって活きてるんだろうなあと実物を見ることにものすごく意義のある展覧会だと思います。
 正直『カミオカンデ』や『99セント』ポスターで見たときは,意外なものや逆に卑近な事物を高精細な大型プリントした現代写真家でしょ〜くらいにわかった気になってしまってて,おなじみぶらぶら美術・博物館の放送でようやくこれは行かないと!と背中を押されました。

 個別の作品は,まず『バンコク』シリーズ。放送で種明かしされてたので川によく見るとゴミが浮いているってわかってはいるのですが,ゆらぐ湖面が縁取られてるようで鈴木英人のイラストみたいだったり,白い縦線は那智滝図を思い出したりと既視感というか何でしょう,既知のものに置き換えようとしてしまう感覚が他にも何度かありました。
 衛星写真を加工したという『南極』などはその白のマチエールがなんだか中国のザオ・ウーキーを思い出してしまいました。


 『カミオカンデ』はエル・グレコの『無原罪のお宿り』を見たときみたいにしゃがんで見上げてしまいました。その無機質さに神性さえ感じてしまいますが,ボートはやり過ぎのような気もします。

 他にステンドグラスの『大聖堂』を撮影してるのは実はヴィム・ベンダースだそうで,モノクロームの一見絵画のような1枚の中に聖と俗が同居していました。
 逆に『F1ピットストップ』は両側に違う場所を合成していて,二面構成の祭壇画のようだと語られています。
 『マドンナ』のライヴの俯瞰は最初コンサートとわからなくて,シルクドソレイユかしらと。でもこれが911から延期されたコンサートであるという背景を知るとにわかに信仰の場のように見えて来ました。

 一番面白かったのは『無題VI』(1997)。美術館に展示されたポロックの作品(秋のリズム?)を撮影しているんだけど,わざわざピントが合ってない!ポロックの持つ質感,圧倒的な物質性,鋭敏さをフラットにしてしまっている!何度も戻って見てしまいました。
 どんなに凝視してもピントが合わないって不思議!グルスキーの写真はどこにもかしこもピントが合っているのが特色なのかと理解したところでこれですよ。ピントがあってのでは『ピョンヤン』のマスゲームで少女の笑顔がちゃんとそれぞれ違うんだというのがわかるくらいなのです。

 グルスキーを写真家として捉えようとして加工するなんて!と憤慨している評もありましたが,むしろ加工したりといった素材をどう表現に昇華されるかという,この人は写真家ではないからこそ面白いのです。
 写真をそのままだったり削除したり加えたりすることによって,具体的などこかの何かの,ではなくて,それは抽象化・一般化・汎用化もしくは純化されたものとなって,見る人の中のものを映し出しているような気もするのです。
 そういえば図録の掲載はどの作品もほぼ同じ大きさで,ここでまた全てを等価にしてしまったかのような,もうひとつの作品群になっていました。

 

 と一人どっぷり浸かったあとはお友達と待ち合わせてポール・ボキューズミュゼでランチ。

 18時までのアメリカン・ポップ・アートは正味1時間くらいだったかなー。こちらは作品リスト見て206点って,うわ時間ない!と。駆け足なのもありましたが,今日はグルスキーで容量いっぱいでした。
 でもリキテンスタインの『鏡の中の少女』などこれ大きいポスターを飾ってたらそれだけで明るい気持ちになるだろうなあ。ウォーホルはもちろん圧巻だけど,なんとなくヘイデンも出てる映画『ファクトリー・ガール』を思い出してしまった。8/7~10/21

 

 この日はとても空が青くて,日没後でもとても鮮やかでした。iPhoneだからかちょっとのっぺりしてますね〜。

 

 美術館を出てミッドタウンでお茶して更にラーメン食べて喋り倒しました!楽しかった~。しかし2冊¥7000の図録は重かった…。

モダン・パリの装い〜19世紀から20世紀初頭のファッション・プレート@練馬区立美術館

練馬区立美術館 の「モダン・パリの装い 19世紀から20世紀初頭のファッション・プレート」は8/17に行って来ました。美麗で微細。ファッションのみならずこの時代のクオリティ版画をじっくり見ることが出来ました。9/8まで。

 1Fの展示室は19世紀。案内嬢や女中の服装は当時の風俗がわかる…と思ったら,仮装舞踏会で上流女性がコスプレの参考にしたという! こういう素朴なのも可愛いけどやっぱりレースやフリルのドレスは素敵。特別出展衣装でプリントやふくらませた立体感も実感。

 2Fは20世紀。こちらは1枚1枚に絵画的完成度も加わったような。特にマルタンはキュビズム入ってる! ワイン閣下などファッション以外も個性的。サティとのコラボも構図など凄いなあ。そしてやっぱり参考出品のバルビエに目を奪われてしまうのです。

 一番のお気に入りはマルティの挿絵本『フローラの王冠』。小さな紙面に文字と挿絵が一体となって作り出すうつしい世界。『青い鳥』もいい。この物語の幻想的な世界がちょっとエキゾチックに表現されてる。

 コレクション展示の日本のファッションプレート 浮世絵と新版画も好企画。昭和10年代の藤田嗣治の版画が。小早川清はエンボス加工と表面キラキラが独特の雰囲気だった。

 途中ロビーの喫茶で一息してまた頭から見直しました。こうして休憩できると集中力が回復するというかもう一度新しい頭で見直せるからのがいい作りだな〜。