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ars combinatoriaな日々

特別展「和様の書」@東京国立博物館

 

特別展「和様の書」東京国立博物館素晴らしかったです!【8/10(土)】
 実はそもそも書はわからないからなあと敬遠気味だったので,BRUTUSトーハクサイトのジュニアガイドで予習して,まず入り口の7分半の展示映像から。散らし書きの頭を揃えてみましょう!など映像ならではわかりやすガイダンスでした。めずらしく音声ガイドも借りました。加賀美幸子アナウンサーだったしー。

 まず第1章「書の鑑賞」は書の魅力を一同に俯瞰。光悦の『芥子摺下絵和歌巻断簡』はスタンプのような摺絵。等伯の描いた檜林と山を用いて文字を省略した『檜原図屛風』(8/6〜8/25)この屏風が想像よりすごく大きくて,ああこれは書が絵を補ってるようにも見える。
 文字を織り出した能装束,小袖(7/13〜8/12)はなんて大胆なデザイン。手鑑でいろんな書を一気に見比べられます。

 一番のお目当ては平家納経(やっぱり平清盛を引きずっているのです)で,この展示されている第3章「信仰と書」スペースがコンパクトながら素晴らしかった。『竹生島経』は草花などの下絵と繊細な書の法華経。今様!などの書かれた紙に線(界)を引いて経典を描く「宝篋印陀羅尼経』など対比の妙。

 平家納経は下に鏡を置いて裏(紙背)を見ることが出来ます!(有機EL照明だったかな)4期に分けての展示で,今回の『見宝塔品第十一』(7/30〜8/12)は銀の円の中に一文字づつ書写される凝ったもの。細やかな細工の軸や題簽(でいいのかな)の蓮の花にも注目。
 この豪華絢爛な作りは平家の権勢もあるのだろうけど,書だけでなく装飾何もかもが手業に込められた全ての人々の思いの結晶ですよね。そしてコラムに33巻全てが伝わっていることに注目とあって,厳島に奉納されたからこそこうして後世に残ったのですね。

 平清盛 ネタが続きます。ごっしー(後白河院)作成中の絵巻の下絵が崩御後に写経に使われた『目無経』(根津美でも見た)。おかげで下絵を今見ることが出来る貴重な機会になったのでわ。更に鳥羽ちゃんや得子さまが璋子さまのために作った『久能寺経』が平家納経の手前にありました。 『久能寺経』は第5章にも(7/13〜8/12)。

 第4章「高野切と古筆」に崇徳院の秘蔵という『古今和歌集 巻十七(曼殊院本)』(7/13〜8/12)。比較的シンプルな濃いめ料紙に流麗な書はすっごく細いけどかすれてはいなくて,これが新院が愛した様式なのかしら〜と感慨深い。

 第5章「世尊寺流と和様の展開」には忠通お兄様の書状が(8/6〜9/8)。頼長さまに比べ典雅な趣味人ということなので,随分ゴツゴツした書だなあと思ったら,法性寺流の祖であるのですね。彼の書風は巷を席巻し孫の代には宮廷書檀でその書風が主流になったそうです。また教長さんがその書風の口伝を(伊経から)受けたとか。このあたり図録に詳しくありました。
 大河では堀部圭亮さん演じた忠通さん結構好きでした。やんごとなき方面もいろいろ凄まじかったですが,摂関家の皆さんがそれぞれ味(というには濃過ぎる)があってよかったなあ。

 ちょっと戻って第5章の冒頭,『古今和歌集(元永本)と本願寺本三十六人家集 貫之集上/順集は細かく展示替があって,壁面にコピーは添付されているんだけどやっぱり本物の繊細さは全く違う。リピート割引はないのかしら。

 まだまだ書ききれてないけど,料紙などその形態を含めた様々の書の美の形を国宝,重文をこれだけの数を見られる素晴らしい企画展です。さすがに館内は混むことはなくじっくり集中して見ることが出来て,終ったら気持ちいい疲労感。見てる人もいつにも増して熱心な様子でした。

 そんなわけでほぼ2時間,じっくり堪能し過ぎてぐったりスタバで休憩。大変図録は分厚いです。グッズは買わなかったんですが,そういえばクリアファイルが半紙の入るサイズもあったなあ。

 ちょー充実の「和洋の書」は上野の東京国立博物館平成館にて9/8まで。
 展示替が大変多いです。上記気を付けて記載しましたが予めリストでご確認ください。トーハクブログでも見どころを更新中です。
 伊達政宗の書『萩に鹿図屏風』などの展示される頃にもう一度行こうと思います。

ファインバーグ・コレクション展〜江戸絵画の奇跡@江戸東京博物館

ファインバーグ・コレクション展江戸絵画の奇跡江戸東京博物館。行ったのは7/14ですが,滋賀の巡回がまだ開催中なのであげておこうっと。7/20~8/18 滋賀MIHO MUSEUM,10/5~11月10日鳥取県立博物館。
 とてもよかった&面白かったです。この日はかなり混んでるようでしたが16時に入ったらなんとか1点づつ見れました。琳派・文人画・円山四条派・奇想派・浮世絵と様々な技法・志向を一気に見れたのと個人コレクションならではの好みが感じられました。

 

 お目当ては鈴木基一『群鶴図屏風』。すごくデザイン化されているのとリアルさが両立していて,基一って琳派の中でもとてもスタイリッシュだと思う。
 トートバッグがとても綺麗な地色とプリントでまたバッグを買ってしまったー!(左写真で上がバッグ,下がポストカード)右隻柄のランチバッグも買えばよかったかなあ。
 其一は2つの小襖もよかった。画業の変貌がわかるし七宝の引手も美しい。

 平清盛的に曾我蕭白『宇治川合戦図屏風』。でもこれ何(場面)が描かれてるかより如何にというか,特に馬の顔がすごいの。蕭白は好き嫌いを超越してトンでもないわー。
 葛飾北斎『源頼政の鵺退治図』なんてカッコいい! 鵺を赤い二本線で,その長い方の線と弓矢と腕が消失点になってるのです。鸚鵡ちゃんは岸岱,羽根が実に装飾的。

 あと谷文晁『秋夜名月図』大きな水墨画,渋くて素敵なのに巨大な印章を押しちゃうんだ!
 鈴木松年『月に雲図』の空気感,図録では全然伝わらないなあ。
 その隣の竹内栖鳳『死んだ鶴図』にもびっくり。西洋静物画かと。栖鳳も幅広いわ。東京国立近代美術館,京都市美術館で大規模に開催が楽しみです。

 昼間はだいぶ並んでるとのことで,先にFINN'S CAFE&RESTAURANTでお茶。ボリュームたっぷりワッフル美味しかったです。

盛旅in福岡+α

♪7/6・7にアイスショー「ファンタジー・オン・アイス」のため福岡に行きました。そのうち盛旅(大河ドラマ『平清盛』の旅)部分です。

 せっかくなので太宰府天満宮に行こうと調べてたら重盛の墓があったのです。って,番組の紀行で紹介してました。位置的に太宰府小学校の中みたいで入っていいのかなあ?と心配で市の観光課に電話してしまいました。特に許可とか必要ないようで運動場の奥の方にありました。学校は駅から近く,天満宮と反対方向です。

 

 揚羽蝶の紋が付いてます。重盛はもちろん京都で亡くなったのですが(しくしく),貞能が(荒らされるの恐れて)遺骨を掘り起こし分骨したうちのひとつとのことです。

 

 手を合わせてちょっと歩いてみると,ここは「平重盛の小径」なのかー。ちょうど雨が止んでいてよかったです。

 そのあと天満宮に行ったんですが,この宝物殿には重盛奉納と伝わる太刀があるのです。

 更に翌日,福岡ドームの隣りのホテルでパーティだったんですけど,ここの飾り山(裏)はなんと壇ノ浦決戦なのです!
 時間なくてあきらめてたら,たまたまタクシーで博多に向かおうとして発見したので慌てて停めてもらって激写しましたっ。手前は碇を持った知盛ですね。
 しかしこのとき19時半くらいだったんですが,南の方って日が長いんですねー。

 +αは川合玉堂の日本画『小松内府図』。
 図録だと全体的に黄色ぽくなってしまって残念なんですけど,中でも重盛は色白で麗しく正に降り立った鶴。青い直衣も透けてます(大河では白い直衣だった)。向き合うのは宗盛でちょっともったり。周りの武士達は哀しげに見上げてます。もう何度も戻ってうっとりしてました。
 この作品は玉堂にはめずらしい人物画です。前後の展示が人物のいない,超然とした『瀑布』『紅梅図』というのも年代順でないので意図的ですよね。特に琳派な『紅白梅』が白梅が多く金地に映えて華麗さと潔癖性を感じました。

 所蔵は国立近代美術館ですが,山種美術館にて特別展「川合玉堂―日本のふるさと・日本のこころ―」で8/4まで展示中です。ぜひっっ。

 改めて「忠と孝のはざまで」続いて「そこからの眺め」を見直しました。くー窪田正孝くんの重盛のナイーヴさがたまらない。コクーンの『唐版 滝の白糸』も観に行きます。舞台はどうでしょう,ドキドキ。