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ars combinatoriaな日々

宝塚歌劇月組『エリザベート』

♪初宝塚は月組『エリザベート』でした! 7/19(日)トート:瀬奈じゅん,エリザベート:凪七瑠海,フランツ・ヨーゼフ:霧矢大夢,ルドルフ:遼河はるひ(日替わりキャスト)
 →は終わったあと何と二重の虹が出てたんです。下のビル(って阪急かな)にエリザベートの大きな幕が下がってんですが,さすがに見えませんねー。ちなみに当日はデメルでザッハトルテを食べてくという気合いの入れようでございました。宝塚は『ベルばら』か『エリザベート』を観てみたいな~と思いつつこの2公演は特にチケットが取りにくいのでなかなか機会がありませんでした。いや観て嵌るとコワイってのもあったんですけど。

 『エリザベート』は東宝版を2006年に観てるんですが(エリザベート:一路真輝,トート:山口祐一郎),このときは楽しみにしてたわりになんかこうピンと来なくって。一度観た舞台と比べつつというのもあるのかもしれませんが,宝塚版はとっても面白かったです! エリザベート/トートの順番が違うように宝塚版はトートが主役です。まー宝塚の主役といったら男役!ってのはよく聞くところではあります。本当にトート様がカコイイ舞台に特化してるなーと思うのですが,このトート(死,死神,宝塚では黄泉の帝王)のイメージがこれまではどうも抽象的で,死に愛される→死に焦がれる,死にたいの?とエリザベートのイメージ(『ルートヴィヒ』のロミー・シュナイダーの印象が強いの)と違和感があったのかなー。そもそもエリザベートっていい意味でよくわからない人物です。孫の“赤い皇女”エリザベート(ルドルフの娘)の方が面白いなあってくらい。

 トートがエリザベートを愛してしまったというのが具体的に描かれているので,その後の展開がわかりやすいのかもしれないです。宝塚版ではこのトートのために「愛と死の輪舞」という新曲が入っていて,これがミュージカルの副題にもなっています。このトートの際立ち方というのは訳詞にもかなり濃く出てるんじゃないかと思うのです。あ,この訳詞も歌もすごく聴きやすくて,とっても印象的なフレーズが多いです。
 その中でもたぶん人気曲らしい「闇が広がる」っていう曲なんですが,原詩は「Die Schatten werden langer(影はどんどん長くなる)」。つまりルドルフを始め,エリザベート,フランツ…(またはこの世界)が主体で,それに影が付いている。大して“闇”っていうのは原詩通り影かもしれないけど,むしろトート自身またはトートの支配する闇なんじゃないかと,主体がトートに移ってるじゃないかなー。いや単純に“やみーが,ひーろーがーる♪”と上手く音符に乗った歌をうっとり聴けばいいんですけど。ルドルフを死に誘う場面で歌われますが,ルドルフの死=トートに取り込まれてしまうのもとてもわかりやすい。「うたかたの恋,マイヤーリンクの悲劇」はどーしてマリー・ヴェッツェラ嬢と心中するんだ?という唐突さを感じるんですが,マリーにトートが成り代わってたりと聴覚だけでなく視覚的にも面白く,短い登場時間ながら重要人物のルドルフの存在が際立ちます。
 って,原語と訳詞の違いにこだわったのは終演後ウィーンオリジナルキャスト版のCDを買って帰って今ヘビロテしてるからなんですがー。わたくし第二はおフランス語だったのでドイツ語はマーラーの譜面を読むのと卒業旅行(ウィーン,ドイツ各地)のため小さい辞書だけ持ってるのです。今ウィーンにはシシィ博物館というのがあるそうで,ウィーンは短くてフォルクスオーパーくらいしか行ってないのでまたいつか行ってみたいなー。とても綺麗な街でキラキラしてるって思い出です(それはヨハン・シュトラウスIIがキラキラしてたから…。ブルックナー像が地味過ぎて探すのに苦労したよ)。

 そんなわけで,トート始め,ルドルフ,更にはフランツ・ヨーゼフといった男役が目立つ舞台なのですが(ついでに黒天使達もトート様を引き立てつつカコイイ,東宝版はどーもダンスの上手い若い男のコ達という現実感が…),エリザベートもよかったです。実は座談会とか見せてもらって,このエリザベート大丈夫かなあと不安だったんですけど。パパが大好き!な少女から見初められて皇后へ,理不尽な境遇から「私は私だけのもの」と美しく輝くその成長がちゃんと見えるんです。頂点は1幕最後のシシィスターを付けた白いドレスだと思うのですが,一番有名な姿なのにあっという間に幕が降りてもっと観たい~と思わせるのが上手い。更にこのドレスに着替えてカーテンコール(というのかしら)で出て来るのもツボを抑えてますねー。このヴィンターハルターの肖像画は国立新美術館に来ます! なんだか最近世界の門外不出ぽいものがよく日本に来ますねえ。こないだのルーヴルとか。
 東宝の一路真輝さんのエリザベートは存在感があって素晴らしかったんですが,今考えると最初から堂々としていて(そもそも一路さんは初代トート),今回のような翻弄されながらも成長していくという姿の方があくまで主役じゃないのにちゃんと“エリザベート”っていう舞台に観えるなあ。といっても音はウィーン版にだいぶ上書きされちゃってるような気もするんですが。
 エリザベート自身は相変わらずよくわからない女性ですが,エリザベートの資質だけでなく,移り変わる時代というのが彼女もハプスブルク家の運命をも飲み込んでいったんだなあと,ロマンティックな物語だけではなくて十分歴史ものとして観ることができます。エリザベートもゾフィーまでの前時代または孫娘エリザベートの時代でならもう少し単純に生きることができたんじゃないかという,また逆に歴史の狭間に生きた希有な人物という後世において魅力を感じさせることもなかったのかもしれないし,面白いものですね。またエキセントリックなエリザベートと彼女を愛しながらも前時代的なフランツ・ヨーゼフが最後までわかりあえなかった「夜のボート」と最後のエリザベートとトートが重なり合う「愛のテーマ(永遠の光の中へ)」とあくまでも音楽で表現してる本当によく出来たミュージカルです。

 そんなわけで,かなり気に入った舞台なんですが,これはちょっとーなのもいくつか。舞台装置はもう少ししっかりしてた方がいいなー。東宝のハンガリーの場面とか教会とかもっと豪華だったような。でもこれは廻り舞台を多様してるせいかしら。そもそもこの舞台は場面転換がとても多いのです。それはエリザベートとトート,ハプスブルクの人々といったエリザベート周辺だけでなく「ミルク」に代表されるハプスブルク家崩壊にもつながる当時の社会状況などをちゃんと演出してるからなんですけど。この「ミルク」の場面なども合唱は女性だけなのにしっかり野太く響いてます。他にルキーニがちょっと煩いかなあ。そもそも語り手であり狂言廻しなんですが,トートやトートダンサーがいろいろな場面に出て来て,それがとても効果的なので,その反面ルキーニの役割が余計で煩く感じてしまうのかも。
 ええと,それからーこれこそが宝塚の醍醐味なのでしょうが…,終幕エリザベートとトートが結ばれて(=エリザベートの昇天)じーんと感動したあと,ラインダンスとか男役の皆さんが着替えて踊るとか(これはカコイイ)主役の二人が全く違う男女のように着替えて踊ったりって,ああ急に付いていけなくなったよう。で,最後にまた『エリザベート』の舞台のカーテンコールらしく着替えてらして,ここでまたあの白いドレスが観れてわーいと思ったのですけど(トートが羽根しょって降りて来るのは素敵ですよお)。まあそんなわけで宝塚そのものには嵌らなそうです…。この舞台はまた再演されたら違うキャストでも観てみたいし,ウィーン版の舞台がまた来日してくれたら観たいなあというくらい『エリザベート』はよかったです。

七月大歌舞伎:五重塔/海神別荘

 

七月大歌舞伎昼の部です。連休明けからみょーに忙しくて,うだうだしてる間に公演が終わってしまいましたが…。まーチケットはほとんど売り切れだったし,といっても幕見が当日のみであるんですよね。前売り券はいつから始まったのかわかんないですが,ネットでとっても簡単に取れるようになりました。さよなら公演は来年4月までなので,ぜひ一度劇場に行ってみるのをおすすめします。歌舞伎座は主に火災が原因で何度も建て直してますが,次はだいぶ雰囲気が変わるんじゃないかしら~。って予想に過ぎませんが。

 昼の部は11時からです。今月は昼夜とも2演目構成でまずは幸田露伴原作の『五重塔』1時間25分。谷中の感応寺の五重塔建築を巡る大工十兵衛(勘太郎)と源太(獅童),それぞれの妻ともに対照的な二人の確執と和解…なんだけど,若い役者さんなので,男の友情!みたいになってます。いやこれはこれでいいんだけど。
 美術,特に五重塔が序幕の終わりに幻のようにぼうっと見えて二幕の十兵衛の模型,そして嵐の中の完成した姿と,十兵衛の焦がれた姿を形を変えて観客に見せて,大工達だけじゃなくてその大きな存在を強調しているのがとても効果的でした。

 幕間が45分で,泉鏡花の戯曲『海神別荘』1時間35分。歌舞伎座でこういう舞台を観るのは初めてなので(ってほど観たことないけどっ),どうなのかしらとちょっとドキドキだったけどなんて美しい舞台でしょう。美術は天野喜孝さんで,舞台にハープ奏者を配してます(もちろん男性)。舞台の玉三郎は初めてです(生はすごーくすごーく前に映画『ナスターシャ』(『白痴』のナスターシャとムイシュキン公爵の二役)の講演を日比谷公会堂で聴いたよ)。
 海底の世界は公子(海老蔵)はツナギ衣装にマントで他は着物で(あ黒潮騎士は着物じゃないか),セリフ廻しも公子だけ普通の話し方なのが面白い。これまた海老蔵が若いせいかどうも弟キャラなんだけど,そもそも海の王とかじゃなくて「若様」って呼ばれてるし,あの乙姫の弟だそうなので,弟キャラで正解なのかー。でも王子ぽくて素敵よー。でもでも美女(玉三郎)が現れるともう目が離せません。具像的な形容詞が合わないくらいただ“美しい”としかいいようがない。
 物語は明らかに異類婚姻譚で,美女は一度地上に戻るもその姿は人間には既に大蛇にしか見えず海底に戻ります。それ以前に父など人間達の浅ましさを述べたり,とにかく美女はもう海底にしかいられないんだけど,それだけでは終わらない。この舞台のハイライトは自分を殺そうとする公子の姿に初めて向き合い,その美しさ気高さに初めて気がつき永遠に海底で生きる道を選ぶという,これまでずーっと一緒にいたのに,美女の目が真に開かれた“その一瞬”が舞台の上に見えるのがすごいです。2階席なのである程度距離はあるんだけど,それがちゃんと伝わってくるの。
 美女が父親のせいで野獣のもとに迎えられ,一度は実家に戻るけど野獣のもとへ帰るって,一見「美女と野獣」ぽいけど,どちらかというと猿聟入。ハッピーエンドのお話は異類は仮の姿で人間に戻らないとダメそうなんだけど,日本の話は異類であってもそのまま結ばれてしまうの。ドボルザークの《ルサルカ》(人魚姫ぽいの)は王子がルサルカを選ぶけど死を持って結ばれるのでやっぱりそのままの姿では現世でのハッピーエンドとはいえないし。美女は大蛇となって異界のものになってしまったけれど,地上よりずっとずっと美しい海の底で永遠にしあわせなのです。

ロテスリー・レカン

♪今日は久しぶりに歌舞伎座に行ってきましたー。『海神別荘』美しかったですー。これは別項で。昼の部なので15時前に終わって,これまた久しぶりのロテスリー・レカンへ。
 前に行ったとき予約して来た人がいたのでランチでも予約出来るんだ~と電話したら,ランチ予約は13時まで入店のみだそうです。でも時間的にはずれてるのでちょっと待ったくらいでした。ちなみに土日祝のランチは16時まで。

 

 

 前菜+ポタージュ+メイン+デザート+コーヒーで\2700+10%。前菜とメインがプリフィクスです。前菜がイカ,ポタージュはグリンピースの冷製,メインは仔羊,デザートはマスカルポーネのアイスです。店名になってるローストチキンもおいしいかったけど,せっかくなのでお手軽値段のフレンチがおすすめです。どのメニューもおいしいです。上野のも好きだけどまたちょっと違うんですよね。店内のカラーもここは綺麗なブルーとクリーム色が素敵(本店はとてもとても…。お茶が精一杯だったけど,喫茶はなくなっちゃったんだっけ)。しかしごはん画像が続くと“ブログ”っぽーいっ。

 3連休は一日目が歌舞伎座昼の部で,日曜日が初宝塚『エリザベート』,月曜日にまた歌舞伎座夜の部。更に22日(水)はレニングラード国立バレエ(ルジマトフのシェヘラも楽しみだけど,西島さんにつられた…)。我ながら無謀ですが,いやー6月~7月の頭が休日出勤ばっかりだったんで,つい~。予定は19日→22日→18日→20日の順に埋まっていったのだ。

フレンチ/ガンダム

 

 

♪土曜日に銀座で遅めのランチ,ル・シズィエム・サンス・ドゥ・オエノンのカフェ・バー。カタカナにすると長いっ“le 6eme sens d'OENON”ここは前菜+パン+メイン+デザート+コーヒー(紅茶)で1日中\1500なのですよ~。インテリアはビビットなオレンジが基調で明るい。カトラリーがカワイイです。お料理は量も比較的たっぷりで\1500なら十分かと。デザートがもーひとつなのでこれなら上野のレカンみたいに別にしてもとゆー気もしましたが,全部お決まりだから手軽なお値段に出来るのかもしれませんねー。14時頃でしたが,3人だったのでちょっと待ったけど2人くらいならわりとすぐ座れそう。

 でもって新宿に戻って30周年記念上映ガンダムの3作目「めぐりあい宇宙編」。予約しちゃってたけど,丸の内ピカデリーのニュープリント版にすればよかったかなあ。いやーガンダムはいいなあガンダムはー。わたしはファースト以外観てないんで他のは知らないんですけど。1・2作目は映画用の作画が少ないので今更大画面で観るのも…と思ってたんですけど,面白いなあ,うんうん。ストーリー的にも絵的にも。3作目はわたくし劇場で10回観て,VHSを持ってたんですけどっ。←お小遣いでエライなあと思うんですけど,そーいえば当時は入替制じゃないから一度に2回とか観てたんだな,きっと。数だけは覚えてます。VHSは確か\14800もして劣化させてくないからそんなに観てません。今お台場に実物大ガンダムがいるんですけど,別にガンダムが好きな訳じゃないんで…と思ったけど,せっかくだから見に行っちゃおうかなー。ザクなら躊躇することないんですけどっ。お台場行くの面倒だからついでにエキスポに行っちゃおうっかなー。ああ,どっぷり。この時期フレンズ・オン・アイスなんですけど,楽公演だけ取ってあるから~。

カカー

カカ レアルでのユニフォームは日本語? ちょっとすごいですよっ。一瞬コラかと思ったよ。破壊力ありすぎの画像を引っ張ってきたいとこですが(c)だしなー,残念。
 ミランはどーなっちゃうんだろーとかシーズン始まるまでわっかんないですが,レアル・マドリーの本気を見たっ。さすが東京ドームで有料練習公開しただけのことはあります。選手が台所とかヘンな漢字のみならずカタカナのタトゥーしちゃったりはありますけど,これは日本向けのマーケティングなんですよねえ。お台場にミランポイントが出来たときはデフォルメキャラクターグッズとかどうよと思ったけど,あれは日本製だったし(キャラものじゃないマグカップとか買ったけどさー)。
 つーかそもそもネーム入りユニって選手の着てるのと同じのが欲しいって心理なんじゃないかと思うんですけど…。ちなみにサインしてもらったユニはオーセンティック(レプリカじゃなくて本物と同じ素材)なので高かったんですのよ。

エカテリーナ2世の四大ディナーセットーヨーロッパ磁器に見る宮廷晩餐会 ー

♪もーすぐ終わってしまいますが,「エカテリーナ2世の四大ディナーセット」展@庭園美術館に行ってたのでした。ベルリン,ウェッジウッド,セーブル,モスクワと各地の当時の技術を駆使した磁器を一度に見ることによって各国の美意識や技術力を見比べることが出来る貴重な機会です。何よりも庭園美術館での展示はひとつの部屋にひとつのテーブルを設えることが出来る,アール・デコという時代こそ違いますが邸宅美術館の醍醐味です。エルミタージュもまた広義の邸宅美術館といえるし。きらきらのエルミタージュ行ってみたいなあ。
 で,四大ディナーセットのどれがよかったかとゆーと…。実はその4つではなくて今回もうひとつ持って来たエリザヴェータ女帝のコレクション(エカテリーナ夫妻の婚礼を祝して贈られた)のマイセンの「聖アンドレイ・セルヴィス」だったりします。残念ながらこれはテーブルセットでの展示ではなかったのですが,白地が多くレリーフを施した表面に金のふち,双頭の鷲のロシア国章を一番上に掲げ,写実的ででも美しい花の絵柄。これがまた描線がはっきりしていて白に映えるのです。なんだか趣旨からはずれてますが,やはり美しいものはよいものなのだよっ(マ・クベ様の声で)。
 4/16~7/5 東京都庭園美術館,7/18~8/30 いわき市立美術館,9/9~9/28 大丸心斎橋店,10/3~12/3 海の見える杜美術館