ars combinatoriaな日々

「ナルニア国物語 第2章カスピアン王子の角笛」展

「ナルニア国物語 第2章カスピアン王子の角笛」展@渋谷パルコに行ってきました。映画にぶつぶつ云いながらも,ええファンだから〜。\300でも有料にするほどのものでは〜という程度ですが(半券持ってけば\200なのに忘れた…),映画観たあとだったのでそれなりにあくまで“映画”の衣装や道具がある〜という見方で。あ,衣装を目の前にするとピーターとエド,特にエドは大きくなったなあ,と思いますが,王子おおきかったんだーというのがわかります。どーもカスピアンは印象が薄いらしい。あと↓映画の感想で書き忘れてた,テルマール軍の仮面兜が『300』のアタナトイ(不死部隊)を思い出したのと,この展示と全然関係ないけど同軍の隊列の俯瞰が『エピソード1』のバトル・ドロイドみたいだったんだ。
 グッズも展示も『ライオンと魔女』のときの伊勢丹の方が多かったような気がしますが,あっちは記念撮影とか完全に子供向けだったし。でも憧れのターキッシュ・ディライトみたいな企画ものもあったのが力の入り方が違うなあ。グッズは映画館にあるのもそーだけど,ひたすら王子押しですよね。ああこういうのが『エピソード3』のときあれば買いまくっちゃったのに。いやノートとか困りますけど,今は亡きお台場のミランポイントが出来たとき初日にグッズ売れすぎてて社会人なのにどーするんだっていう“ピッポ下敷き”を買いましたからね〜。渋谷は6/1までだったんですけど,名古屋パルコへ巡回(6/6〜6/28)します。
 『朝びらき丸 東の海へ』まで読み返したんですが(『ライオンと魔女』はたぶん子供の頃に10回は読んだと思うんですけど,その他のは実はそーでもない),ユースチスおかしすぎとリープかっこよすぎですわ〜。全部原作通りにやってくれたらうれしいけど,そしたら2作目に比べて間延びしてるとか言われるんだろうなあ。ナルニアの魔法は文字で読んでごくささやかな挿絵と共に自分で想像するのが一番なんだろうけど。なんていうか実態化してしまうとそれ以上広がらないんですよねー。でもでも動いてるリープってのはやっぱり素敵!

カスピアン王子の角笛

♪実は21日の初日に観に行きました『ナルニア国物語第2章カスピアン王子の角笛』。ええと\1,000でいいや〜という大変消極的な要因があったことは否めない。映画としては面白いのかもしれないけど,いろいろ…び,微妙。いやカスピアンの設定がピーターより年上って時点で原作とはだいぶ違うんだろうなーとは思ってたんですけど。これはやっぱりこども向き一辺倒ではないんですよねー。ナルニアは原作をどれでも1ページ開けば児童書じゃんっていうのがわかるんですけど,まー小学生向きです。小さい頃読めば何度でも読み直せますけど(最終巻はいろいろアレですが)。

 わたしはすごーくすごーく原作が好きだったので,どうやっても原作ありきでしか考えられないんですけど。映画を順を追っていくと,まず話が時系列になってるのはわかりやすい。原作では4人きょうだいがナルニアに呼ばれるところから始まって,実はそれはカスピアンが吹いた角笛でしたっていう順でカスピアンの生い立ちが挟まるんですけど,映画では乳母がはぶかれていきなりミラース王(映画ではまだ王位についてないらしい)に長男が生まれてカスピアンピンチ!という大変ドラマチックな導入部。これでキャラを1人減らして一見すっきり&観客引き込まれる(が,カスピアンがナルニアに惹かれていたり,テルマールの王子として居心地悪いという性格がはっきり出ない)。
 しかしコルネリウス博士が「本当に危険が迫ったら使いなさい」と託した角笛をあっという間に吹いてしまうヘタレ王子。流れ的には角笛の吹かれた深い森の中から一転,イギリスの駅から美しいナルニアの海へという画面的にインパクトがあり引き込まれる。しかしここでまた駅での喧嘩など,前作の空襲みたいに現実世界を描きすぎてるように見えちゃう。スーザンはモテるという大変説明的なシーンもあるし。ああスーザンはあとの流れに合うよう兄弟に似てなくてもわかりやすく美人さんの方がよかったのではー。

 わー,このままではひたすら重箱の隅ぽいのですが,いやキャラや世界観って大切なんだもんっ。ナルニアにやってきた4人ですが,前作もそーなんですが,この映画やたら戦闘シーンに力入ってるのに大切な食事がどーでもよくなってる。前作のビーバーさん夫妻の素敵なもてなし,今回は逆にリンゴしかないのに飽きたとか熊殺して生肉持ち歩くとかものすごく食にこだわってるのに。まあ今回大きいのは食事よりも戦闘シーンの比重ですね。前作もそんな大げさな…と思ったけど,今作はわたし原作ではあんまり戦闘の記憶がなかったんで読み直したんですが,そもそも城夜襲はありません。合戦的なのは4人が呼ばれる前くらいで,その戦闘でだいぶダメージを受けて,じゃあ角笛を吹こう!となって,合流したあとはもうピーターの一騎打ち,そして蘇った木や川の神であっという間に大団円です。もちろんアスランを信じて,アスランが見えるようにならないといけないんですけど。
 確かに夜襲とかカッコいいし,何よりミノタウロスさんの犠牲とか哀しくも見所な部分が多いんですけど,でも却ってそういう傷つき倒れるナルニアの民達をリアルに描くことで,アスランはそんなにもったいぶって何してるんだとか,テルマール軍を倒せるんならそれこそ(素敵)白い魔女様でいいんじゃないかっていうニカブリク側に肩入れしたくなっちゃうんじゃないか?という…。だから映画として前作より満足度が高いらしいとか(前作もだいぶ?でしたけど),うん,そーじゃなくて本質的にナルニアから離れていってるんじゃないかと思っちゃうんですよ。前作からこの製作陣は「ロード・オブ・ザ・リング」みたいのが作りたかったのかしら〜と思っちゃうんですけど。っていうのはわたしが「ロード…」があんまり面白くなかったってのが大きいんですけど。←ゴラム(ゴクリ)ちゃん除く。ゴラムちゃんはかわいくてかわいそうだ。アナキンはゴラムだ説を大変納得してます。

 ええと映画のよかっとこ! リーピチープがちゃんとかわいくてかっこいい。「朝びらき丸」も頑張って作ってほしいです。あと松露とりさんもいい。あのもそもそとした動きがすごいイメージだ。人間は〜,前作で一番合ってると思ったエドがいいカンジに成長してきてます。このコが一番顔立ちが綺麗だと思います。王子は別にあんまり〜。わたしはイケメンという言葉がキライなんだよ〜。でも役柄的にはカスピアンを表に出してるようでいいところはちゃんとピーターが締めてるのでそのへんは当たり前だけどヨシ。あ,テルマールの皆さんは渋くて素敵です。「朝びらき丸」はむしろユースチスが楽しみです。「銀のいす」も作るんだったらジルと共に性格は変わってても綺麗なコにして欲しいな〜(カスピアン押しの弊害が出ませんように!)。「銀のいす」が一番好きです。まあなんだかんだ言って大きい画面でナルニアが観れるのはうれしいので,頑張ってヒットして続けてほしいのです。

♪府中のTOHOで観たんですけど,館内で今頃ライトセーバーを発見ー。アナキン出ろ〜と唱えながら廻したらパル様でした。それならまあいいやっ。↑上のリンクとはラインナップが違うんですけど(2007年製)。

BSで『スーパーマン』を観た。

♪先日BSで『スーパーマン』のディレクターズカット版をやってたんですが,リーヴ版(ドナー)は『リターンズ』の直前に慌てて観たんで『リターンズ』を何度も観た後に見直すと,(Rは)今更ながらですが本当にリーヴ版のオマージュ満載だったんですねえ。ラウス君の人選含めて。また『リターンズ』を大きい画面で観たいなあ(いいひとな旦那はつい最近超素敵王子様だったけど)。公開時には新旧イッキミやったのかしら。
 新旧といえばスター・ウォーズ6作はやってくんないのかしら。最近出たスピンオフ(忠誠上下とJQ)は買ったけどいろいろたまりすぎてまだ読む機会が〜。そういえば『オペラ座の怪人』が深夜ですが地上波初登場だったみたいで,やっぱり字幕ですね。深夜じゃたまたま観ちゃった人は少ないんだろうなあ。なんだか残念。

「エリザベス・ゴールデンエイジ」と「L」と「ベルサイユのばら」

♪一時期ほど忙しくはないんですけど,なんだか疲れてますー。最近眠りが浅いような気がするんですよ。あんまり夜中に目が覚めたりしなかったんですけど,早めに寝ると(って1時とか2時とか)4時半頃目が覚めて,ええともうCLのためにこんな時間に起きる必要は今季はないのにー。しくしく。

♪映画は結構観てます。『ジャンパー』は3/1の先行に観たんですが,公開前にネタバレしないに原作読み直してからもう一度観ようと思ってますんで。1日は映画の日だったんで,まだ前売り券を使ってないです。
 一番最近に観たのは『エリザベス・ゴールデンエイジ』。前作『エリザベス』を観てないんでどのくらい伏線があるのかわかんないんですが,恋愛パートが多すぎてまたそれがとっても退屈で,せっかくケイト・ブランシェットが素敵な女王様なのにもったいないです。野心的なはずなウォルターがどうしてもクライヴ・オーウェンのとっても嵌ったキング・アーサー的いいひとっぽく見えて,彼の魅力とされる部分とずれてるように感じちゃうからかも。
 それよりっ,なんで無敵艦隊がちょびっとしか出なくてあっという間にやられてしまうの〜。いや単に無敵艦隊好きなんですけど。そもそもわたしはイギリスの方が好きなはずが青池保子先生の『七つの海七つの空』と『エル・アルコンー鷹』のおかげですっかりスペインびいき視点なのです(でもリーガ・エスパニョーラは観ないけど)。敵役・悪役好きの原点の1つでもあるし。『エル・アルコン』は最近宝塚で舞台化しましたが,まだ一度も観たことない宝塚をむちゃくちゃ思い入れのある作品で観てはいけないだろうとスルーしました。
 まあそういう思い入れはともかく,もっとすごいぞ無敵艦隊ってのを出さないと英国の勝利が引き立たないと思うのです。エリザベスがときめいてるときに着々と大艦隊を作ってるとか(ちょびっと材木を集めてるのが出ただけでドキドキしたけど),でも無敵艦隊の帆船は時代遅れとか,もっとドレイクらの活躍を小出しにするとかー。エリザベスの衣装と最後の艦隊戦はとってもぜいたくでした。

 『L』はスピンオフを作るという時点でどうかしらと思いましたが,デスノ映画のTV放映のときの予告でこれはちょっとと先も読めてしまいました。まあ評判よりは面白かったけど,痛そうなのは苦手なのでそういうときは焦点をあわせないようにしてましたが,いやそういうのはデスノでもそもそもLでもないだろうという。小説版はキャラが1人足りませんが,特に映画は主要人物3人が3人とも頭脳派で徐々に動き外に開いていくのが被りすぎです。敵側は役者さんのが楽しそうです。

 もうひとつ,ずっと観たかった映画『ベルサイユのばら』(1979,ジャック・ドゥミ監督)が上野のルーヴル展の関連企画で上映してました。ヴェルサイユ宮殿まで使ってよく当時作ったな〜と素直に感動しますが,始まってすぐ何で英語をしゃべってるの?と。もとのフィルムはフランス語なんでしょうけど,わざわざ英語に吹き替えて日本語字幕にしてるの? アンドレの扱いとラストが原作と違うのというのは何となく知ってました。で,肝心のルーヴル展はまだ見てないんで,気が付いたら4/6まであと少しなんで,どっか平日に行きたいです。

BLADES OF GLORY

ラブリイアイス ♪『BLADES OF GLORY』とカッコイイタイトルですが,邦題は『俺たちフィギュアスケーター』,略して『俺フィギ』。去年のオンシーズンに「SHOWBIZ」で全米No.1はじめ長いことランクインしてて,今なら日本でも受けるのに〜,単館でやらないかな〜と観たかったんですが,忘れた頃去年の12月から日本公開しました。そしたら意外に受けて続々上映館が増えてます。で,お正月4日に行って来ました。都内はてっきり渋谷だけかと思ってたんで渋谷に行ったんですけど,新宿でも始まってたみたいで,まー渋谷の方がたぶん綺麗な映画館だろうからいんですけど。で,そのシネマGAGA!独自なのかわかりませんが2人をイメージした?というラブリイなアイス↑があって,ちょうど2人だったのでもちろん食べる。ところがアイスはあるのにパンフは製作してないとかで,日本で1館しかやってなくてもパンフってあったのに,本当に上映されただけでも奇跡だったのねー。
 ええと,映画は面白かったです。いや突っ込みどころ満載でしたけど。男子ペアってのはともかく,ボーカル曲とか小道具とか,必殺技は頭を下にして廻しちゃいけないんじゃないかとか。あと旧採点(6点満点の懐かしいー)って,順位点っていうのがあったような気がするんですけど。って,だからたぶんそんなにフィギュアスケートが好き!っていうわけでもなくて,コメディ映画を面白いらしいから観に来た〜という人の方が拘りなく楽しめるんじゃないかなーと思われます。実際,かなり入ってる館内は爆笑続きで。
 90分という短い時間で中だるみなく進めてますが,たぶん主役というか観客視点になるジミーの「Time to say Good Bye」に載せて語られる天才少年のシーンとか,片手が顔になってる孔雀衣装とか(どう考えてもジョニー・ウィアー),キスクラのぬいぐるみとか,2回ポイントになる大会マスコットとか,小ネタの作りがとても凝ってておかしい。そういうディテールだけじゃなくて,大筋がライバルから友情ものみたいになってて,でもものすごくくだらないラストシーンとか,一切手抜きのないところがすがすがしいです。あと極悪双子ペアとその妹のヒロイン格のケイティがちゃんと可愛いとか,アメリカの本物のスタースケーター達が本人役で出てるとか。こういうくだらない映画はやっぱりちゃんと映画館で,出来れば大勢で観なくちゃですねっ。

ウエスト・サイド・ストーリー

早稲田松竹で『ウエスト・サイド・ストーリー』を上映してます。28日まで。映画館で観たことなかったので,めずらしくこの時期ちゃんとお休みだったので行って来ました(明日はしごとさっ)。ミュージカルは四季と来日公演(確かヒューストン?)と観てますが,映画をTVで観たのが先だったので,最初四季のマリアは子供っぽいなあと違和感があったけど,来日公演もおんなじようなイメージだったので,映画のマリア(ナタリー・ウッド)が特別なのかなあ。でも少女ってほどでもないのに,世間知らずな様子がお兄さんに大切にされた感が伝わって,ますます悲劇的ですよね。「ロミオとジュリエット」との読み替えで,ジュリエット側がすごく上手くアレンジされてるんですよね。従兄ティボルト→兄ベルナルド(何度見てもかっこいいー),乳母→ベルナルドの恋人アニタ,パリス→チノ。マリアは兄を殺してしまったトニーを愛し続けることしかできないし,アニタの行動もつらいし。対してマキューシオ→リフを始め,ロミオ側が仲間達にちゃんと名前もあるのにもうひとつキャラが弱いなあ。でもゼフィレッリ版映画みたいにトニーが何かを予感して浮わついてるのとか,マリアの子供っぽさから大人の女性に成長するのとか歌を使って上手く演出してるなあと改めて感じたのでした。
 早稲田松竹は来年の『バッド・エデュケーション』と『ボルベール』(観たかったけど未見)の2本立てが観たいです。がー,2本観るには休みの日じゃないと無理だなあ。ちょっと年末の『輝ける青春』も観てみたいんですが,2部で6時間超なんですよねー。

ミス・ポター

映画『ミス・ポター』をようやく観ました。もちろんピーター・ラビット好きです。キャスト的にどーなのかーと思ってましたが,レニー・ゼルウィガーがビアトリクス・ポターに随分入れ込んでるのがわかりました。時代考証とか湖水地方の撮影が素晴らしかったです。衣装はもちろん印刷所の再現など絵本が好きで観に行った人にはうれしいですね。でもでもどーしてもロマンス寄りに描いているので,せっかくこれだけ調べて作ってるんだから,もうちょっとポターの人生に沿って欲しかったなー。やっぱり「ピーター・ラビットの絵本」が念頭にあるので,あのお話はノエル君に宛てたお手紙が元になってるのに全く触れられてないのはさみしいですねー。福音館が創作100周年に作ったお手紙(1893年)と私家版と生誕100周年ウォーン社版の復刻セットを持ってます。ちょっと高かったけどー。ノーマン・ウォーンに焦点をあててしまったので,このあたりのエピソードはばっさりのようです。ロマンス的には幼なじみの少年が妙に美少年だったのはヒーリスさんの伏線だったのねとか,ヒーリスさんの方が良さそうだったのである程度彼女の人生は知ってたけど,結婚できてよかったーと思えました。ただ幼なじみエピソードは本当かなあと,やっぱり他のところで脚色があるとどこまで再現でどこから創作なのか考えてしまいます。でもでも少女時代のアリスみたいなお洋服や可愛らしさは残ってる写真のように素敵でした。ピーターのアニメーションなんかは煩くないように思ったより最小限に使われてたのはよかったです。このへんもスタッフが子供騙しにしてないのが伝わります。やっぱり湖水地方とロンドンに行きたいですわー。

トランスフォーマー

『トランスフォーマー』を観た! 最初にかかってたマイケルベイデスみたいな予告篇では絶対観ない!と思ってたのに,ちゃんと映像が出てきてから,これはちょっと観たいかも・映画館で観るべきかも〜という気持ちになり,結構周囲で評判がいいので期待して行きましたー。
 す,すごい面白い! 水曜のレディースデーに六本木まで行ったんですが,前の日寝不足になっちゃったので,眠くなったらどうしよーとちょびっと心配でしたが,全然そんなことなくって,ひー,おかしいようとほぼ集中です。いや,やっぱり変形時が一番ですけど。ガシャコンガシャコンに目を奪われてるのに,なんでこういう最終型になるのか全然判らないのに。ストーリー的にはなんだかよくわからなことがいっぱいありましたが,そんなことどーでもいいです。いや最初悪い方は地球の機械に寄生してたのかと思ったとか,あんなに一生懸命探してたものは結局いらなかったのかとか。
 もともとは日本のでアメリカでヒットしたくらいしか知らないですけど,悪には悪の事情がとか主人公がはたと悩みだすとかそーいう面倒なことが一切ないです。ほんとーに何にも考えないで観に行って,終わったあともいろいろ解釈する必要はありません。大変潔い映画です。

若者のすべて

ヴィラ・オルモ ♪日曜日に『ヴィスコンティの遺香』篠山紀信・写真展/ヴィスコンティ映画祭に行って来ました。無事『若者のすべて』が観れたので,ブレッソンはまだ行ってません。
 写真展(〜8/19)の方はオリジナルプリントではなく,大きなパネル展示でした。でももうそのままでは残っていないというヴィスコンティの残り香を感じるにはこのくらいの大きさの方が伝わるものがあるんだろーなと思われます。写真集はうーん,欲しいけどー。で,写真展で一番感慨深いのがマンマの写真の間にヘルムート・バーガーの麗しい写真を飾っていたという。
 ↑写真はコモ湖に行ったときに工事中だったヴィラ・オルモ。

 『若者のすべて』だけ観たのは今回上映した7作品(若者のすべて・山猫・ルートヴィヒ・イノセント・熊座の淡き星影・地獄に墜ちた勇者ども・ベニスに死す)の中で唯一観たことなかったからー(他のはちゃんと映画館で観た)。また『地獄に墜ちた勇者ども』を観たいと思ってるんですが,時間が合わないー。
 で,映画の方は,370席のホールというのは座席数から結構広いのではとは思ってたんですが,スクリーンもわりと大きくてミニシアターっていわれるような映画館よりもむしろいいんじゃないかくらいでよかったです。そもそもイタリア文化会館っていうのがむちゃくちゃかっこいいビルなんですが。
 『若者のすべて』はただただアラン・ドロンが可愛かったんですけど,以上。じゃなくて,5人の兄弟の運命と母の大きな存在は確かにイタリアという国の特に南北の問題を映しだしているんですが,5人のなかで異質なアラン・ドロン演じるロッコという人間からもっと普遍的な問いかけを受け取ってしまいます。ロッコは兄弟の中であからさまに1人美しく,善良で,無私で,心優しく,そのセリフの中にあるように(家を建てるには犠牲が必要),半ば自覚して自分を家族に捧げてしまいますが,彼の優しさは兄弟,特に兄シモーネを救うことはできず,彼の赦しが更に兄を戻れないところまで墜してしまうかのようです。
 人が人を赦すことは果たして善なのだろうか,自分を捧げてまでも(才能があっても心優しい性に合わないボクサーとして生きる)他のために生きることって何だろう,と。真に人を赦し,自己を捧げることができるのはキリストだけという大変キリスト教的な気配もちょっと感じます。

 原題である『ロッコとその兄弟たち』はトーマス・マンの『ヨセフとその兄弟たち』が意識されているそうなんですが,ヨセフ(旧約聖書の方のお話です)は自己犠牲的人間ではなくて,でも確かに兄弟の中で1人抜きんでていて,最後に自分を陥れた兄達を救う立派な人間ですけど,こちらの物語ではむしろヨセフが父に溺愛され(この父っていうのがまたその母に溺愛されたヤコブなんですけど。わたしはヤコブとエサウの話が小さい頃から納得いかーんと思っておりまして),半ば嫉妬で兄達が曲がってしまうので,どう見ても特別な人間のはずのロッコがただその才能を,自分自身をを家族に与えてしまうのに家族は彼を良くも悪くも特別視しているわけではないところが根本的に違うような気がします。ムイシュキン公爵ぽいのはわかりますけど(ロシア文学でちゃんと読んだのは『白痴』だけっ)。

 あと,これは兄弟の話ではなくて,ファム・ファタルのお話なのではとナディアの登場あたりからしばらく考えながら観てたんですが,むしろロッコ達にとってはナディアよりも兄弟達の方がずっとずっと重要で,ファム・ファタルなんていないんだよ,という物語であるのかもしれないです。そして,カインとアベルとか前述のヤコブとエサウみたいな2人の対照的な兄弟の話ではなく,あくまでも5人兄弟と母という家族の物語ですね。

 そういえば,イタリアに行く前にミラノのガイドブックで行く前にぜひ観て映画になってまして,確かにミラノ中央駅やドゥオモの上とかそのままで,これはこれであのミラノのことなんだーという妙に感慨深いものもありました。先に映画があって,映画のあの街という印象一辺倒というのも一面的な気がしますしー。

ヴィスコンティ祭り

♪今日はお休みでした。でも1日だらだらしてもうこんな時間です。この頃どーも気が張ってて疲れちゃってます。
 そんなときは映画観に行くのが一番ですが(すぐに世界が変わるからさ),最近観たいのがないなーと思ってたら(『ボルベール』くらいかなー),ママからの電話でヴィスコンティ祭りを教えてもらいましたー。→『ヴィスコンティの遺香』篠山紀信・写真展/ヴィスコンティ映画祭(写真展のことは去年のテアトルタイムズスクエアのチラシにあったような)
 映画は7/24〜8/2ですが,なかなか難しい日程だ。『若者のすべて』だけ観てないんでせめてこれは行きたい。九段なので,もし入れなかったら竹橋まで歩いてアンリ・カルティエ=ブレッソン@近代美術館に行けばいいかなーとか。←日曜日にハシゴする気力はない…。ブレッソンも気が付いたら8/12までなので,油断してると終わっちゃうのです。自分用メモ:開館時間10:00〜17:00,金曜〜20:00。